キマイラ
「変な奴ら?」
「ニュースでは謎の組織が政府の行政を度々邪魔してくるらしいんだけど、テロとして扱われてるんだってさ」
「それで?」
「組織はまだ捕まっていなくて、目撃情報をとテレビでよく言うよ」
「ふーん」
「そいつらがなんで変な奴らなの?」
興味がないのか一人の友達は聞き流そうとしているので、俺が聞くことにする。
「若い人達に人気なんだって」
俺たちも十分若くねーか?
聞いたことねーぞ。
「なんか怪盗みたいにかっこよく姿を現して、すぐに消えていくんだとよ」
「顔晒してんのか?だったらすぐ捕まるだろ」
「いや、一応仮面みたいなので隠してるけど、目元だけだし、ほぼ晒してるって言ってもいいな。テレビで見た写真の男イケメンだった」
「なんで捕まんないの?」
「知らねー」
イケメン怪盗。
人気出そうだもんな。
この時俺はそんな程度にしか思っていなくて、友達二人もあまりこの話はしなくなった。
転入生の話が持ち上がってイケメン怪盗のことは話題から消えてしまったからだ。