キマイラ
「夏休みなのに学校行くの!?」
「俺、塾通ってないし」
「毎日なんて行けない!」
「いや、美奈は来なくてもいいんだよ?希望者だけだから」
「なんで課外なんてとったの!?」
「受験のため?」
「夏休み遊びに行くんじゃないの!?」
「いや、ちょっと待ってよ。ほぼ毎日って言っても休みの日はあるよ?休みの日に遊べばいいじゃん」
「そうだけど……」
やっと落ち着いてきた美奈。
どうしたんだよ。
なんで俺が課外出ることにこんなに反応してんだ?
よくわからない美奈にどう言ったらいいかわからない。
だけど俺は下駄箱で待たせてる友達もいるので帰ることにした。
美奈には喋ってた女子たちもいるし大丈夫だろ。
「夏休みの遊ぶ予定はメールで連絡するよ。じゃあバイバイ」
「……あ、うん」
他の女子は普通にバイバイって言ってくれたけど、美奈はどこか元気がなかった。