キマイラ



7月22日。
夏休み前日の終業式。

学校は午前中で終わるためお昼休みがない。
だから早瀬もA組に来ない……はず。

なんとか少しでも愛澤さんと話せないかタイミング見計らっていたが、朝におはようと挨拶しただけで愛澤さんは机に突っ伏している。
俺は明日から夏休みってことと、ほぼ毎日課外の俺と会う機会が少なくなるせいで友達に別れを惜しまれている。
嬉しく思いながらも、心の中で1ヶ月くらい我慢しろよお前ら、と不満を吐いた。

もうすぐ下校となるのに、愛澤さんと会話しないままになってしまう。



「夏休み勉強しろよ?羽目外すなよ?」



先生がそう忠告して帰る挨拶をした。
皆が帰り始める中、俺はすぐに愛澤さんのところに駆け寄った。



「愛澤さん!」



愛澤さんは既にカバンを持ちドアのところまで移動しようしていた。

早っ!!



『何』



愛澤さんは嫌そうな顔をして俺を見た。

ちょっとショックだよ……?





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