キマイラ



俺は自分のケータイのFeliCaマークを指差した。
愛澤さんは自分のケータイのマークを見る。

ホントに何も知らないんだなぁ……。


そしてマークとマークを合わせアドレスを送った。

なんかこうやってアドレス交換するだけでも夢みてぇ……。



「じゃあメール送って?」

『……』



俺が言うと愛澤さんは無言でケータイを弄り出した。
そしてすぐに俺のケータイが光る。
着信の知らせだ。

メールを開くと題名も本文も書かれていないアドレスだけのメールが届いていた。

…………。

これだけ?
え、これだけ?

よろしくね!
とかは愛澤さんだからあまり期待してなかったけど、これだけ!?
何もなし!?
一見これだと誰からかわからないよ!?



「愛澤さん?」

『何』

「これだけ?」

『何が?』

「メール……」





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