キマイラ
第二章 転入生
一節 変化
高校3年の6月という時期に転校してくる人っているものだろうか?
三年生は皆、どこかソワソワしていた。
転入生は俺と違うクラスで男らしい。
男子共は女の子を期待してたのだが野郎かよ!と、うなだれた。
「愛澤さん、今日転入生が来るんだって!」
その話をネタに今日もしつこく絡みます俺!
『……』
愛澤さんは寝ていた体を起こし俺を見るが無言。
最近ちょっとやそっとじゃ傷つかないようになった。
「どんな奴かな?」
転入生は遅刻してるらしく午後から来るらしい。
C組らしいので、昼休みに来ていたら見に行こうと思う。
愛澤さんのような男だったらどうしようか……。
「どこ高校から来たんだろ?」
『……』
知らないですよね。
そう言われても困りますよね。
相変わらず無視を決めています愛澤さん。
「愛澤さんはどんな人がいい?」
『……』
「……」
『……』
「愛澤さんってハチミツ好き?」
『……』