キマイラ
だから休み時間、彼女のところへ話しかけに行ったのだが……、
「愛澤さん、だよね?」
『そうだけど』
彼女は無表情で、何を考えてるかわからなかった。
「メイちゃんって名前なんだぁー」
『そう』
「…………」
『……』
「あ!メイちゃんだからめーちゃんって呼んでもいい?羊みたいで可愛いじゃん?」
『ダメ』
「え?」
『やめて』
「あ、うん……」
彼女の目は怖かった睨んでた。
セミロングの黒髪に、黒い瞳。
俺に向けられてるのは好意じゃない。
けど、隠してるだけかもしれない。
俺はそれ以来、愛澤さんにしつこく話しかけた。
今日で三ヶ月になる。