キマイラ



「あの、春樹……」

「なんだ?」

「お願いがあるんだけど……」

「……おう」



と、思っていたら次には美奈はなんかモジモジしだした。

え?何?



「今週末、一緒に映画館行ってくれない?その、友達が急に行けなくなって……チケット余っちゃって……」

「なんの映画?」

「ファンタジーアクション系の奴なんだけど……」



そう言って事前に用意してたのか、美奈は俺にチケットを見せてきた。
ちょうど俺が見たかったやつだ。


「夏休み前だし、まだ受験勉強の妨げにならない時期だと思うし……」

「いいよ」

「ホントに!?」

「おう」



すごい笑顔になる美奈。
こう笑うと可愛いく見えるもんだ。



「今週の日曜よ?待ち合わせは学校近くの映画館前!時間は後でメールする」

「りょーかい」



嬉しそうな美奈。
そんなに映画見たかったのか。

俺はチケットを鞄にしまった。





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