キマイラ
「春樹、ゲームセンター行こうよ!プリクラ撮ろう?」
気付いたら辺りは暗くなってきた。
夏が近いから日が沈むのが遅いが、もうそろそろ帰らないといけない時間だ。
「美奈〜。そろそろ帰ろうぜ?明日学校あるし」
「え!?もうそんな時間!?」
美奈はケータイの時間を見る。
空見ればそれくらいの時間だってわかるだろ。
「ゲームは次遊ぶ時に付き合ってやるよ」
「え、また遊んでくれるの!?」
「……え、おう」
なんで次ないって思うんだ?
あ、受験になるからか。
「じゃあ夏休み中誘っていい!?」
「いいけど」
なんか今日の美奈のテンション変だったな。
美奈と遊ぶなんて今まで何回もあったのに。
そう疑問に残ったが今日はもう帰ろうとした時だった。
「じゃあ帰ろ……」
「ヤメロォォォー!!!!」
数メートル離れたビルの路地から男の悲鳴が聞こえた。