キマイラ
「無理。おじさん、叫んじゃったじゃん」
少女がしゃべった。
可愛らしい声なのに、この状況だと恐く感じた。
「あんなことされたら……」
「いいわけ?おじさんのせいで見つかっちゃったじゃない」
見つかった!?
それは俺のことなのか……!?
違うよな!?
だって女の子こっち見てないし!
「お願いだ!助けてくれ!!」
「そうね、おじさん雑魚だし。殺すのは可哀相だから、奪えとれる分だけ奪いとって今の仕事やめてもらうわ」
「どういう意味……」
「記憶喪失になってもらう」
「そんな意図的に……!?」
「私たちはXだよ?」
X……!!
じゃあこの子はテレビに映ってたあの女!?
思ってたより小さくて驚いた。
そして、自分の今の状況がどんなに危ないか知った。