キマイラ



「なんでそんなにしつこいの?」

「性格。自覚ある。俺しつこいよ」

「私が怖くないの?」

「怖いけど、同い年くらいだし、女の子だし、可愛いし、平気かも」

「……」

「……ん?」



急に黙るキマイラさん。
彼女を見るが俯いて表情がわかんない。
なんか言ったか俺?



「……学校でモテそうなタイプだね」



少し気にしたがすぐに彼女がしゃべったので気のせいかと思う。



「まぁ、モテるな」

「そういう発言は好きな人にするもんだよ」

「そういう?」

「…………か、かわ」

「かわ?」

「か、可愛いとか……」

「……」



ああ、照れたのか。
男にあんな惨いことした人でも照れたりするのか。
意外だ……。



「正直に言ったまでだよ」



そういう態度とられると紳士心が疼く。
ここは笑顔で返しますとも俺!
女の子を喜ばせるの好きだし、優しくするの好きだし。



「ホントに変わった奴だな」

「褒め言葉として受け取っておくよ」





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