キマイラ
四節 二人
Xの金髪ロングはキマイラという名前で、成人男性の命を追い詰めるほどの力を持っていて、記憶を奪ったり無くしたりできるとんでもない奴で、その容姿はとても可愛くて、意外と女の子らしいところもあるけどやっぱり怖い人。
……なんて、言えるわけねーじゃん。
憂鬱な朝を迎え、今日はテンションが低い俺、春樹です。
「春樹おはよー!」
「おはよー……」
「あれ?テンション低くね?」
「ああ、ちょっとなー……」
友達が話しかけるが、あまり構ってやる気分がない。
おしゃべりな俺のことだ。
何かの拍子にポロッと零してしまうかもしれない。
キマイラさんの言った通り、あまりXのことについて聞かなくてよかったと思えた。
“黙ること”と言ってたけど、本当にその方がいいかも。
でも俺の性格じゃそれも難しい。
人と話す時は気をつけないと。
そうだ!Xの話に参加しなきゃいいんだ!
それなら心配ない!
と、思ってたのに1時間目が終わり休み時間になると、
「昨日のニュース見たか!?」