キマイラ
彼女が心を開かないのは家庭に問題があるのだろうか?
さすがに人様の家庭内事情を何とか出来ないが、力になれないかな?
全て授業が終わり帰りの支度をする愛澤さん。
今日もほとんど寝てた。
鞄を持って教室を出ようとする。
俺は慌てて彼女を呼び止めた。
「愛澤さん!」
『……』
彼女は無表情で俺の方を向く。
そういえば笑顔を見たことない。
「バイバイ!また明日ね」
『……』
彼女は無言で背を向け教室を出た。
「うわームカつく……」
「また何も返事無しかよ」
それを見ていたクラスメート。
愛澤さん、嫌われちゃうよ?