キマイラ
「おい!メイ!」
早瀬は愛澤さんの体を揺する。
愛澤さんは顔俯かせてる。
「早瀬、そんな体を動かしちゃ……」
「大丈夫か!?おい!起きろ!」
俺の声聞いちゃあいねー……。
先生が来て、愛澤さんの容態を見るため早瀬を退かそうとするが、早瀬は愛澤さんを離そうとしない。
「やっぱりお前最近寝てないんだろ!?学校いる間寝てるって言ってたじゃねーか!!昼も全然食ってなかったじゃねーか!!なんで人払いしてな……」
『うるさい……』
早瀬の言葉をピタリと止めたのは愛澤さん。
よかった、意識が戻った。
周りのみんなが安心してホッと息をつく。
だけど愛澤さんは俯いたまま。
早く保健室に連れていかないと!
「メイ?大丈夫か?」
早瀬は意識が戻った愛澤さんに気付き、顔を窺おうと下から顔を覗こうとした。
が、
パシン!!
いい音だけど、あれは痛い。
早瀬は愛澤さんに頬を平手打ちされた。
え、なんで……?