キマイラ
第三章 保健室
一節 本当のこと
「先生いますー?」
保健室に行ってみると、鍵は開いていたが先生がいなかった。
どこか違うところにいるのだろう。
すぐ戻ってくるか。
中に入って休ませてもらおう。
「愛澤さん、先生すぐ戻ってくると思うからベッド貸してもらいなよ」
俺は愛澤さんにそう言って、カーテンを開け彼女が寝れるようにベッドの準備をする。
愛澤さんはその動作をボーと見ている。
……大丈夫かこの子。
「大丈夫?熱中症かな?こういう時どうすればいいのかわからねーな……」
冷やせばいいのか?
水分補給?
保健室は涼しいからいいけど。
『……大半が寝不足だけど、太陽にやられたのもある』
弱々しい声で彼女が呟いた。
いつもの無表情。
「お、おう……そうか」
やべえ、さっきあんなことがあったからどう接したらいいかわからねぇ。
怒らせたら俺もパシン!ってされるかも。