キマイラ



なんか俺いい感じのこと言ってたんだけど。
愛澤さんの気持ち分かった気で、確信持って言ってたんだけど。

違うって?

え?
違うの?

素直になれないんじゃないの?
つい、人を突き放しちゃうんじゃないの?
本当はそんなことしたくないのに!って思ってたんじゃないの!?



「ち、違うって……?」



おーい、俺めちゃくちゃ動揺してんじゃねーか!
当てが外れてカッコ悪いじゃねーかァ!!



『……』



愛澤さんは言おうか言うまいか迷ってる様子。

ここにきて教えませんはやめにしてくれよ愛澤さん!

愛澤さんは少しすると、何か決意した感じの顔すると、俺を真っすぐ見た。

そして、



『私、本当は無口じゃなくて、ちゃんとしゃべれるよ!』



と、言った。





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