sweet love
 「何すんの…?」

 「嫌だった?」

 私のファーストキス。

 大嫌いな奴に奪われた。

 「最低!」

 私は泣きながら部屋を出た。

 「くそっ!」

 空夜は、頭を抱えていた。



 ひどいひどよ…。

 「どうされました?」

 奈桜がいた。

 「な、奈桜ぉぉぉ」

 私は、泣きながら奈桜に抱き着いた。

 「え?」

 奈桜は、驚きながらも頭を撫でてくれた。

「ぅー…ヒック…」



 …あれ?

 「起きたか…」

 龍…?

 「う、うん」

 ここは、私の部屋?

 違う。

 「奈桜に頼まれて…勝手に女の部屋に入るのもどうかと…」

 「ぁ、うん…」

 怖い人かと思ってたけど、優しい。

 「ぁはっ」

 私は、意外性に笑ってしまった。

 「な…なんだよ」

 「ありがとぉ」

 ニコッと微笑むと龍は頬を少し染めた。

 「おぅ…」

 小声だったけど聞こえたよ。

 「どういたしまして」

 って。


 

 

< 15 / 57 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop