sweet love
 バシン。

 頬を叩く甲高い音が響いた。

 「痛っ」

 陸玖を睨む愛理。

 「なにすんのよ!!
 陸玖君は覚えてないかもしれないけど私は小学生のころから好きだったんだよ!?
 ずっとずっと陸玖君だけを見てたのに。陸玖君は、いろんな女の子と遊んで胸が苦しくて。
 友達の璃音にまで取られて、許せないのよ!」

 「お前が好きでも、俺はお前を好きになることはできねぇ。
 璃音になにかするんなら俺にしろよ」

 「璃音、璃音ってその子にどんな魅了があるの!?
 私の方が可愛いじゃない、やさしいじゃないの!」

 「そんなことする奴が、優しいわけねぇだろぉが」

 「あんたたちがだってただたんに地味な璃音が面白くてからかいたいだけなんじゃないの?ただの遊び人たちが本気なんてマジ笑えるわ~」

 狂ったように笑う愛理。

 「ふざけないで!」

 パシンっ。

 私は、愛理を叩いた。

 「私、愛理が友達でいてくれたのに…最近忙しくて愛理のこと見てなかった。
 愛理が友達でいてくれてホントにうれしかったのに。
 私のことは、いくらでも傷つけてもいい。けど、五人のことは悪く言わないで。
 お願いします」

 私は、深く頭を下げた。

 「ほんとに…馬鹿じゃないの!?……。
 璃音…ごめん…」

 愛理は、三人の男とともに走り去った。

 「はぁ~~」

 私は、ため息と同時に座り込んだ。

  
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