sweet love
 「はぁっ…んっ」

 なかなか離れない唇。

 「りっ…く」

 「おい」

 空夜の拳が陸玖の頭に落ちた。

 「いって!何すんだよ!」

 涙目で空夜を睨む。

 「お前こそ何してんだ。俺の璃音に触んな」

 「へっ璃音は俺のだからな!」

 陸玖が私を抱きしめる。

 「何言ってんのさ!璃音は僕のだもん!」

 悠羽まで…。

 顔が火照る。

 「はい。着きましたよ~」

 ガイドさんの声が響く。

 ふぅ…やっと解放…。

 「きゃっ!」

 階段を踏み外してしまった。

 「おっと」

 誰かが腕を掴んでくれた。

 「うん」

 助けてくれたのは奈桜だった。

 「ケガしたら大変だから」

 そう言って微笑む。

 「ありがとう」

 今度は気をつけて降りた。
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