sweet love
 「どうした?」

 頭に手を乗せられた。

 「空夜…」

 今は、会いたくなかった…。

 自分の気持ちに気付いてしまったから…。

 「今日、元気ねーよな」

 「そんなことないよ?」

 「嘘つけ。璃音は嘘つけねぇの!」 

 頬をつまみながら笑う空夜。

 なんでもお見通しなのかな…?

 「そんなにわかりやすい?」

 「あぁ、凄く…な…」

 なんだか切なそうに笑う空夜。

 空夜はもう気付いちゃったんだよね…?

 「悩まなくていいんだぜ?」

 「ぇ…?」

 無言だった空夜が発した言葉だった。

 「璃音は、俺たちのこと考えて無理してるかもだけど。俺たちは、璃音が好きな奴と幸せになってくれるのが一番うれしいからな?」

 空夜にはホントに全部お見通しだった。

 「うんっ…ありがとっ…」

 次から次へと涙があふれる。

 
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