意地悪な君が好き
─咲弥side─
『どうにもできねぇんだったら、残された1ヶ月、2人でいい思い出作ろうぜ!』
俺はただそれしか言えなかった。
そう言って抱きしめる事しか──
やっと気持ち伝えられたのに
あっという間に俺達を引き離す、過酷な運命が告げられた。
まだ、時間は沢山あると思ってた。
だけど、こうしている今も1秒1秒、美紅と離れる日に近いてる。
時間なんて止まればいいのにな。
どうして動くんだよ。
俺達はまだこれからだろ?
なのによ…─
俺は運命の言葉が嫌いになった。
何が運命だよ。
こんなのありかよ…
─咲弥side─
E N D