意地悪な君が好き
「うーー!!わかんないよ」
私は今、数学のプリント直し中。
もう1時間は経っていた。
この広い教室に私1人だけ居残り勉強…
シャーペンを握っては落とし、回しては落とし…
そう言えば、咲弥との出来事って私がペン回しして、失敗して咲弥の席に転がったんだったね。
懐かしいな。
『まだやってんの?』
隣から聞こえた声。
見なくてもわかる。
私の大好きな人。
「わかんないよこんな問題…」
数学は大嫌いだもん。
咲弥は私のプリントを見て、笑った。
間違ってる個数か、
簡単な方でか…
多分両方だろう。
『教えてやんない…事もないけど?』