意地悪な君が好き
『入学してから1ヶ月たつし、そろそろ下の名前で呼んだら?』



菓子パンを片手に持ちながら言う秦。


もう5月で、入学してから1ヶ月が経った。



「下の名前で読んでも…いい?」



そっと隣の葵に目をそらした。



『あぁ』



「さ、咲弥」



呼びなれてないからつい咬んじゃった。


なんか、ちょっと恥ずかしい。


それを聞いた咲弥はまた『ぷっ』と笑った。



『はっきり言え』



久しぶりに長文の発音聴いた。

ってか長文?



「咲弥…、で、言い?」


『あぁ』



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