意地悪な君が好き
あっという間に放課後になった───
しかも、教室のほとんどが重たい段ボールが積み重なっている。
これを処分するかしないか、分ける仕事らしい。
それにしても数が多すぎるよ~。
「はぁ…疲れた」
っと言うか、咲弥どこに行ったんだろ?
ちょっと抜けると言ったきり帰ってこない。
そっと顔を伏せて、座った。
『疲れただろ?はい』
そう言って咲弥は私の頬に冷たい缶ジュースをつけた…─
「あ、ありがとう☆」
しかも私の好きな、りんごジュース!
『りんごジュース好き?』
咲弥は炭酸ジュースの缶のふたを開けながら聞いてきた。
「うん!咲弥はジュースだと、何が好き?」
咲弥はどっちかと言うと、炭酸系の雰囲気が…─
『炭酸とか、いちごオレとか?』
「私も、いちごオレ好き☆」
咲弥があんなに甘い飲み物好きなんて、意外だな。
『あれうまいよな?』
「うん!」
ん?
ちょっと待って…
いつもより、優しい…気がする。
あのツンッとした感じじゃない…