意地悪な君が好き
『おい、作んぞ?』
パーカーの裾を捲り、私をじっと見ている。
「な、何かへん?」
『いや…髪くくったお前見るの初めてだから』
それでか…──
「ポニーテール似合わないからあまり見ないで…」
『スゲー似合う…』
えっ──
い、今似合うって言った??
「本当?」
『あぁ』
ちょっと照れた咲弥…
ん?
咲弥って照れるっけ?
でも、嬉しい♪
だって好きな人と、お菓子作りなんて、夢みたい…だもん──。