意地悪な君が好き
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『手前からパラフィン紙ごと持ち上げ、手前の端を織り込むようにし、紙をはがしながら巻く』



うわ!

いざやろうとすると、緊張する。

かんじんな所だから特に。



『しゃーねーな…』



パラフィン紙を持ち上げている私の手の上に、温かく、大きな咲弥の手が…────。



ドクン…ドクン…



なにこの鼓動!!

私もしかして顔真っ赤??

そうだとしたらヤバイよ...



『こうするんだ』



気付いたら、綺麗に丸まっているロールケーキが…



「うわぁ~…」


『手、ごめん』



あわてて、手をのけた。



「いいよ♪それより、これからどうしたらいい?」


『ラップで包み、巻き終わりの部分を下にして、冷蔵庫で30分冷ます』



私はラップに綺麗に包み、冷蔵庫に入れてもらった…。



「はぁ、疲れたぁ」


『こっちこいよ』



大きなテーブルとソファーを指差している。


咲弥の隣にスッと座った。


凄いふあふあ…──

なんかいかにも高そうな…



『お前にしては、よくやった方じゃね?』



こうゆう時ぐらい、上手いって言ってほしかった…



「もぉ!でも…、咲弥のおかげだよ!」



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