意地悪な君が好き
『君達、授業始まってるよ!!
って一体なにがあった??』
入って来た先生は咲弥を見たんだろう。
『葵をすぐ病院に連れていかないと、ヤバイな。
事情はまた後だ。
2人は授業に出なさい。
葵は先生が連れていく』
「私も行かせてください!!」
咲弥を見つめる私。
だって咲弥を見捨てて、授業に参加なんてできない。
こんな状況で授業とかできるわけないじゃん。
『わかった。担任には伝えておくよ。
じゃあ車まわすから門で待っててくれ。
救急車で行くとみられて嫌だろ?』
確かに救急車ならみんな窓から見るだろう。
そして変な噂が広がるかもしれない。
「はい」
返事を聞くと先生は咲弥を運んだ。
「空賀君は?」
『授業の方が大事だし授業に出るよ』
授業が大事?
笑わせないでよ。
授業に出る?
「最低!!」
『はぁ?』
「どうしてみんな、こんなに口の悪い奴が好きなの?
みんな表の顔しかしらないからだよね。
私、空賀君みたいな人大嫌い!!」
勢いよくドアへと走った。
『美紅』