イチバンボシ
輝いていたと思っていたものは、ただの貝だった。


外側は、ごつごつしていて、色も茶色っぽい。


なんだ、と思って拾ってみると、中の色がとても綺麗なのに気づいた。


そのまま海面まで出る。


目の辺りを拭った。


海の中で目を開けていたせいで、目がしょぼしょぼする。


貝を太陽に向けてみた。


目の前で貝が輝く。




「きれー…」




ママの描く絵にも表わせないような、輝き。


何色?って聞かれたら、答えられない色。


光を当てなければただの白なのに…。
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