イチバンボシ
でもそれは向こうにとっても同じだったと思う。


誰にも止められることなく、人気の少ない道に出て、お寺の前に出た。


小さくて、目立たないような。


暗くて、夜なんかには何かが出てきそうな。


そこに人がいないから…
って言うより、お寺に対する好奇心で、中に入った。


お寺なんて、写真でしか見たことがなかった。


近くのお寺は、いつかの地震とかで壊れたりしたらしくて。


俺は地元から出たことがあまりなかったから、お寺はとても珍しいものだった。




「…ここ、大丈夫??」




ノアが心配そうに聞く。


確かに。


俺たちなんかが入って、平気なんだろうか。
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