イチバンボシ
俺はユメの後姿を見ながら不思議に思う。


だけど何もできることはなかった。


馬鹿野郎。


この時俺が、ユメに話していたら何かが変わっていたかもしれないのに…


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俺たちが辿り着いたお寺の周りは、林だった。


…林、というより森だろうか。


木が生い茂っていて、野生の動物が出てきそうな気配。


それってやっぱり珍しい事でさ。


俺は見たことないけど、野生の動物。


それでも、出てきそうな感じがしていた。


ノアがこの中に入るの、と不安そうに聞く。


タクミも恐怖に満ちた顔で俺たちを振り向く。
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