イチバンボシ
「だってさ、それって、今までにもう準備は始められてたってことでしょ?
何で誰も気付かなかったのかな?」




うーん、と笑美は唸り声をあげる。


あたし達の周りでおかしな動きはなかったはず、だ。


覚えてないだけかも。


知らないふりをしてきただけかも。


そう考えたのも束の間。


すぐに考えをうち消した。





「...政府の中での動きだったんだよ、きっと。
だから、一般市民には分からなかった。」

「そうかな?」

「多分、そうだよ。」





あたし達国民に知られないように、動くのって、容易い事かな?
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