無気力少年




「じゃあ浴衣とか着るの?」


「うん‥女の子用、だけどね」



あ、何かごめん

とりあえず心の中で手を合わせて謝る




「あ、」


「どう、したの?」



見覚えのある後ろ姿が
通り過ぎて行った



「あー‥俺ちょっと用事思い出したから此処でお別れ」



「そっか、」



あからさまに落ち込んだ表情を見せた香山君だが、

今回は構ってやれない



「本当にごめん」


「気に、しないで」



「ごめん!また後で」



香山君と別れて
さっき見た後ろ姿を追う



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