無気力少年




しばらく誰も喋らず、
沈黙が続いた



そして一番先に口を開いたのは
奈緒だった




「会長、俺達ね‥
ノーネームだって聞いた時どうしたらいいか分からなかった

今まで会長の敵だと思っていた人が、会長だなんて‥


でも、その事を知れて良かった

この先ずっと知らなかったら、
きっと会長の事もっと傷つけてたもん


だけどやっぱり、会長の口から聞きたいな


わがままだって分かってる‥」



「奈緒‥、

俺も聞きたい
会長は話の辛いと思う

でも知らないのも辛いんだ

大切な人を傷つけるのは嫌なんだっ!


会長、俺達ってそんなに信頼できないかな?」




「ごめん、ごめんっ‥
僕、奈緒と真緒の事‥全然分かってなかったんだね

こんなに思ってくれてるのに
こんなに想いを伝えてくれてるのに、


僕が逃げたら意味ないよね」



一粒の涙を流す会長



それは何かを決意した表情


「頑張れ」



小さく会長に声をかければ
無言で頷いた



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