無気力少年
少し言い難そうにしながらも
はっきりと言葉を紡ぐ
「‥笹木 虎二郎」
「とら、じろう‥ぶはっ」
ヤバい、
何その笑える名前
「てめぇ笑ってんじゃねぞ!」
「顔真っ赤!」
「~っ!」
ヤバい、ヤバい、ヤバい!
面白過ぎるだろ
前までは威嚇とばかりに俺を睨んでいた笹木が赤面している
「シャイボーイ?」
「断じて違う、
それに俺は気に入ってる」
「何を?」
「名前」
あぁ、意外にコンプレックスとかじゃねーんだ
「まあ、お前って虎っぽいもんな」
あ、そうだ‥
「トラって呼ぶから」
「はぁっ!?」
「和彦ー!」
お、ナイスタイミング
「そんじゃーな」
トラにそう言い残し兄貴の車に乗り込んだ
「絶対認めねーぞっ!」
とか何とか叫んでたけど気にしたら負けだ