pain〜約束の梯子〜
存在
………闇?
………僕は闇?
存在しているのかさえ、解らなかった。
…知りたい。
…何か、途方もない全てを。
自分の躰を触ろうと弄る。
もがく。
…存在の理由って?
…僕は…誰?
『…ハ…ル……ハル…』
…僕は…ハル?
…あんたは…誰?
『ハル』
鼓膜の中で響く声に慄き、怯える。
その瞬間、唯の落下物になる。
朧げに浮かんだ一文字。
…死?
…そっか…僕は死ぬんだ。
でも…存在しなくても死ねる?
落下時の風圧で、肉が剥がれる快感の中、そんな事をぼんやり思う。
高速落下の末、躰を打ち付ける衝撃。
暗闇が僕の断末魔で震えた。