pain〜約束の梯子〜
―こんな夢を見て眼が醒める。
最初に眼に入ったのは、緑に光る4桁の数字。
0238
…?
眼に入る汗を手の甲で拭う。
…なんだ。2時38分か。
暗号かと思った。
何かが始まりそうな期待が萎む。
耳の奥で脈打つ音。
煩い。
それにしても、今のはなんだったのかな。
近い内に飛び降り自殺でもするって予知夢?
…ないない。
寧ろ最近は落ち着いているし、第一死にたいなんて思った事、無い。
よろめく様にして、キッチンへと向かった。
あの耳障りな声が、頭にこびり付いて放れない。
冷蔵庫のミレラルウォーターを、無造作に取り出し、躰に流し込む。
無色無味無臭の液体なんかじゃ、このヌメリは除去出来なかった。
やっぱ…アルカリ性…界面活性剤…
「ハル?」