ハルオレ☆ -後篇-
part2 観奈の告白
それから観奈は横になって、俺は床に腰を落として彼女の話を聞くことになった。
そうと決まってからすぐに水も飲ませたかいもあってか。
先ほどよりも観奈の様子はだいぶ落ち着いたように見える。
そして、観奈がゆっくりとその口を開いた。
「あのね。私、小さい頃から母に『澤原家にふさわしい生き方をしなさい。』って言われて育ってきたんだ。」
「…うん。」
俺は静かに観奈の言葉に耳を傾けた。
「ゆくゆくは人の上にたつ人間になることになるから、学校では勉強も運動もすべてを完璧にこなすことを望まれたし、それが当たり前だと言われてたし、私もそう思っていた。」
へぇ。お嬢様ってそんなこと言われるんだな(´・ω・`;)
でもなんかそれって…どうなんだろう。
そういうのが当たり前って、観奈はそれが嫌じゃなかったのかな?
俺がそんなことを考える中、観奈は言葉を続ける。
「全てを完璧にこなすために、物心付く前から腕利きの教育係をつけられて、とことんいろいろな知識を叩き込まれたわ。」
そういえば、彼方が言ってたな。観奈には教育係がいたって…。
そして本気になった観奈には何一つ敵わない、そう言ってたけど…。
よくよく考えると、俺からしたら彼方は完璧なのに、そんな彼方が観奈には勝てないなんて、観奈はどんだけすごいんだろう…( ̄∀ ̄;)