ハルオレ☆ -後篇-
「もちろん学校以外の私の時間はほとんど教育に当てられていて、ろくに学校の友達と遊ぶ時間もなかったわ。」
「…うん。」
「…って言っても、私が完璧になればなるほど、周りのクラスメイト達は私に一歩引いてしまって、結局友達は1人も出来なかったんだけどね。あはは。」
観奈はそう笑うが、俺から見たらすごく悲しそうな顔をしていた。
「…観奈はそれでつらくなかったの?」
俺の質問に観奈は少し『う~ん』と考えて、
「…つらい、か。そうだな。あの時の私はそうは思わなかったかも。友達なんて必要ないと言われてたし。」
「友達なんて必要ない…?それって…。」
俺が『それは違うんじゃないか』と言おうとしたその時、観奈が小さく首を振った。
「今思えば、まぁ、おかしい考えよねぇ。」
観奈はまた空笑いをして『でもね…』と言葉を続ける。
「あの時はたしかに友達は居なかったけど、彼方がそばにいつも居てくれたから、さみしいとは思わなかったわ。」
そっか…(´・ゝ・`)
彼方はずっと昔から観奈のそばにいたんだな…。
「まぁ、そんな彼方にいつも『それでいいの?家柄に決められた生き方で』って言われてたんだけどね。」
「うん…。」
「…で。今日、久しぶりに学校に行って、改めて思い知らされちゃった。」
そう言って観奈は深くため息を落とし、両手で自分の顔を覆った。