ハルオレ☆ -後篇-


「やっぱり私だめみたい。完璧に振舞うことを無意識にしちゃう…、あの家の生き方を無意識にしちゃうの…。」









「観奈…。」








「今日、彼方に呼び出されて言われたわ。『それでいいの?母の言う事を聞くお人形のままで』ってね。…で、そのまま彼方と喧嘩しちゃった。」








うん。その現場を実は隠れてしっかり見てたよ、なんてさすがに本人には言えないよな。








「私にとってはお母さんの言うことは絶対。そんな生き方しか出来ない自分が嫌になって2年前に家を出たのに、結局家を出ても根本的なものは何一つ変わってなかった。彼方に言われて、その事に気づいた瞬間、本当にショックだった。」







「え?家を出たって…」








俺がそう尋ねると、観奈は恥ずかしそうに『えへへ』と笑った。








「実は私、家出してここに来たんだ。」








「そ、そうだったの!?」








うわ〜( ̄∀ ̄;)
裕福な暮らしが嫌で家出でもしてたのかな?って思ってたけど結構俺の勘当たってたみたいだ。







「え?でも待ってよ。一応すごいところのお嬢様だし、そこまで厳しい育て方されてきたんだよね?それでよく今まで連れ戻さなかったね。」








「うん。慎太郎叔父様がお母さんを説得してくれたみたいで、家出は黙認されてる状態なんだ。だから大丈夫よ。」








「そうだったんだ。」









観奈の口から話される彼女の過去。








普段の彼女を知るからこそ、聞けば聞くほど胸が痛いな(;-;)
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