ハルオレ☆ -後篇-


「蘭藤荘に来てからはあの家の人間ということを忘れて過ごすことが出来たし、寮のみんなとも仲良くできて、毎日本当に楽しいし、幸せだなぁって思うようになったのよ。」








そう話す観奈の表情は本当に幸せそうだった。








「あ、何より大好きなビールと出会ってからなんて、私の人生は180度変わったっていうか…。」








嬉しそうに話してた観奈だが、そう言い掛けた途端、悲しい表情が変わった。








でもそんな表情を一瞬で隠し、彼女は明るく『あはは』と笑う。








「でも、私やっぱり学校に行くとだめなのよ…。」








観奈は顔を伏せるようにしてうつむいて、そのまま言葉を続ける。








「…蘭藤荘に来て、私は変わった。だから今の私はもうあの頃ととは違う。そう思っていたはずなのに…」








観奈が唇を噛んで、声を絞り出すように呟いた。








「彼方にも言われたけど、私はやっぱり学校に通うべきじゃなかったんだ。」







「…いや、そんなことはないよ。」








俺が首を横に振ると、観奈は首を横に振り返した。








「ううん。だめだよ。こんな生き方続けて学校に通ったら、いつかきっと精神的に落ちちゃう。自分がダメになっちゃう。」








観奈…(´・ゝ・`)








俺はギュッと胸が痛んだ。
観奈の辛い気持ちが痛いほど伝わってくる。








「違う!無理なんかじゃないよ。」








俺は気づいたらそう叫んでいた。








「はるちゃん?」








観奈が驚きながらも不思議そうに俺を見つめる。
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