ハルオレ☆ -後篇-
「だって要するに観奈は学校に行くと、完璧に振舞おうとしちゃうんでしょ?それってネコかぶって王子様やってる彼方とやってること一緒じゃん?」
「彼方と、一緒…?」
まぁ、無意識でやってしまうって所は違うけど、よくよく考えたらそういうことだよな。
「そう、彼方と一緒だよ。自分をよく見せようとすることはみんな同じだって。もちろん俺だってそうさ。」
まぁ、彼方や観奈のような完璧さを求めるとしたら、ほど遠いことなんだけどね( ̄∀ ̄;)トホホ
「でも観奈はそんなよく見せてしまう自分が嫌なんだよね?」
俺がベットに肘をついて観奈の顔を覗き込むと、彼女は『うん。』と頷いた。
「じゃあ、学校でも普段の観奈になればいいじゃん?」
「普段の私?」
観奈が首を傾げたが、俺は力強く頷いた。
「この寮にいる観奈のことだよ。明るくて優しくて、ちょっと大胆だけどそこがまた良くて…。そんな観奈のことをもっとクラスのみんなに知ってもらわないと宝の持ち腐れだよ?」
「…はるちゃん。」
俺はそのまま少し前に乗り出して、笑顔で言葉を続ける。
「ね?寮に住んでる俺達だけ観奈のいいとこ知ってちゃもったいないよ。」
「…そ、そうなのかな。」
自信なさそうな観奈の返事に俺の声がさらに大きくなる。
「そうだよ。俺、観奈がこの寮にいるみたいに学校でもそうしていければ、絶対学園生活楽しくなると思うんだ。観奈にとっても、もちろん俺にとってもね。」
俺がそう言い終えると、観奈はまた瞳に涙をためながら大きく頷いたが、しかしまた表情が曇った。