ハルオレ☆ -後篇-
笑う俺を横目に観奈は、
「…まぁ、この際だからはるちゃんには話してあげるけど!実は彼方は親同士が決めた私の許婚なのよ。」
投げやりにそう言っては、またグイッとビールを飲んで、中身を全て飲み空けたのか机の上に缶を置いた。
「え?そうだったんだ。彼方は観奈の許婚かぁ〜…」
そう普通に答えた俺だが…。
(^ω^)ん?
「はぁ!?許婚―――!?」
俺は思わず叫んだ。
突然やって来た事実に驚きを隠せなかったからだ。
「うん。私達の母親同士がすごく仲が良くて、お互いの子供を結婚させるのが夢だったみたいなの。」
「何?その夢…。」
彼方と観奈の親のことは知らないけれど…。
俺だったら親が決めたとは言え、そんな理由でさすがに結婚したくないよ(゜∇゜ ;)
俺がその後のコメントに困っていると、観奈がくすくすと笑いだす。
「ふふふっ。たしかに訳わかんない夢よねぇ。でもぶっちゃけね。私、家にいた時は他の人と結婚するくらいなら彼方と結婚してもいいかなって思ってたんだ。」
観奈はそう言って息を呑むと、『でもね…』と言葉を続ける。
「家を出てからは考えが変わったの。彼方と一緒になることがまさしく親の言うこと聞いてるって思っちゃって…。だからかな?彼方と絶対一緒になりたくないの…。」
観奈は机に肘をついた手に顔を乗せて、声を細めて言った。