ハルオレ☆ -後篇-
part5 救世主現る!
一瞬何が起きたか分からず茫然としてしまう。ジンジンする頬に手を当てて、
あっ、俺西川さんに叩かれたんだ…。
と、俺が事態を把握したその時には、
「遠山君の浮気者!!!!!」
目にいっぱい涙を溜めて俺をキッと睨みつける西川さんの声が大きく部屋に響き渡った。
浮気者って…そもそも俺たち付き合ってませんけれど?Σ(´Д` )
そんな俺の開いた口が塞がらない中、西川さんは瞳に溜まった涙を手で拭い、
「西川という者がいながら、観奈とキス…いやそれ以上の関係になろうとするなんて信じられません!」
ドン!と言い放つと、『あ、ちなみにキスも浮気ですからね!』と意味分からない後付けをしては御立腹の様子だった。
俺はとりあえず、気絶したと思われる観奈を抱えたまま身体を起こした。
そして、観奈の身体をベットに寝かせると、俺は再び腰をおろし、
「ふぅ〜〜。」
と、一服落ち着きますと言わんばかりのため息を吐いた。
「ちょっと何が『ふぅ〜』ですか!まだ西川の話は終わってませんよ!」
俺は怒り狂う西川さんをぼけ〜と見上げ、
「…よくわかんないけど、西川さん。声が頭に響いて痛いんだけど…。」
と、お酒のせいでズキズキと痛む頭を手で押さえて首を横に振った。