ハルオレ☆ -後篇-
part6 未練、作法、そして
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俺がちょうど意識を失ったというか、酒に負けてしまった、一方そのころ…。
【蘭藤荘102号室】
「で!聞いてくれよー!俺は確かに最初は軽い気持ちだったっていうか。まぁ、飲んだ勢いでやってしまったというか…。」
甲高い男の声が部屋に響いていた。
その男はメガネをかけており、手には缶ビール、床に大きなあぐらをかいて座っている。
「それから今に至って改めて考えてさー。ヤバい奴に手を出してしまったと後悔したわけだけど…。だからこれはもう手を引くしかないと思ってだなぁ。」
「うんうん。」
そんなメガネの男の人の話をベットに腰掛けながら相槌を打つもう一人の男。
そのもう一人は、金髪に青緑のかかった瞳を持った綺麗な顔立ちの男だ。
「それでさー…って!おいヤマト!ちゃんと俺の話聞いてるよなー?」
メガネの男は眉間にしわを寄せてそう言うと、缶ビールを思い切り音を立てて机に置いた。
「はぁ?聞いてるよっ!」
酔っ払いと思われるメガネの男の言い分に呆れる金髪の男、それはヤマト兄。
「だってさっきから『うんうん』しか言ってないじゃねーか!」
そして、怒っているメガネの男は圭先生。
そう、ここはヤマト兄の部屋で、どうやら今の現状は、圭先生がお酒を飲みながらヤマト兄に話を聞いてもらってるようだ。
その話が何の話かというと…。
「で、何だ?結局お前はどうしたんだよ?」
ヤマト兄がそう聞くと、圭先生は少し表情を曇らせた。