ハルオレ☆ -後篇-
「…ああ。ちゃんと彼女に別れを言いに行ったよ。…って今さっき言ったばかりだけど。」
「ほぉ。で、観奈ちゃんはなんて?」
「……。」
ヤマト兄の質問に圭先生はしばらく黙り込んだ。
2人の話の内容は、『観奈との別れ話』についてのようだ。
「それがさ。『あ、そうなんですかー?わかりました。』だってさ。」
やがて圭先生はそう言って、ダルそうに床にゴロンと寝転がった。
「…そうか。てか、思ったよりあっさりだな。」
ヤマト兄が感心するように言うと、圭先生が勢いをつけて身体を起こし、
「だろ〜。さすがに2年以上関係あったわけだし、泣きつかれるかなと思ってた俺的にも『え?そんだけ』って思ってつい、『え?本当にいいの?』って聞いちまったんだよ。」
「は?お前から別れを言っておいてそれ聞いたのかよ?」
ヤマト兄が聞いたその瞬間、圭先生はピッとヤマト兄目掛け指差した。
「だってそうじゃん!普通、突然『やだ!別れたくない』じゃん?」
「まぁ…」
圭先生に指摘されると『それはそうだよな…』とヤマト兄は顔を渋らせる。
「で、そしたらアイツなんて答えたと思う?『え?先生がそう思うならしかたないじゃないですか。』ってさ。」
「うー。たしかにな。」
「…でも、俺的にはもう少し訳を聞くなりしてほしかったわけで…。」
圭先生は少し気まずい顔をしては、最後には口ごもる。
「あーようするに止めてほしかったんだな。」
ヤマト兄はそんな圭先生の本音を察したようだった。