ハルオレ☆ -後篇-
開いた口が塞がらない2人に、圭先生はさらに妄想をエスカレートさせる。
「そんでもってダイちゃんは、ヤマトに会いに来てるふりして実は観奈に会いに来てたな!!!」
ビシィッと大樹さんを指差す圭先生。
「…大樹。それは本当か?」
圭先生の妄想を少し間に受けたのか、ヤマト兄は怖い顔をして大樹さんを疑いの目で見た。
「馬鹿!!ちげぇよ!!」
大樹さんは大きく首と両手を同時に横に振った。
「隠すなダイちゃん。結局俺は一人ピエロだったんだな。ははは。ヤマト、ダイちゃんが観奈と隠れて愛を深めあってるんだ。俺達もダシにされた者同士、今夜は二人で愛を深めて傷を癒しあおうぜ。」
『よし、ヤマト!!キスしよう』と圭先生は口をウ〜とさせて、ヤマト兄に抱きつこうとした。
「こら、もっちゃん!!何抱きついて…」
ふざけている圭先生に大樹さんは声を張り上げた矢先、鋭い威圧感のある視線を感じ、
「…って!ヤマト!!!何怒ってるんだよ!!!!」
その発端であるヤマト兄の方を向いた。
「別にぃ…。」
大樹さんと目が合うと、ヤマト兄はプイッと顔を逸らす。
「ダイちゃん。俺達は今から絆を深めるんだ。お前は観奈の所でも行け!!」
圭先生が暴発するように叫ぶと、大樹さんは頭をポリポリとかいて、
「あのなぁ〜…おいヤマト。お前まさかもっちゃんの戯言を本気にしてるわけじゃないだろうな?」
「別にぃ…。」
しかし、ヤマト兄の『ツーン』状態は続く。