ハルオレ☆ -後篇-
「別にぃって…もっちゃん、どうしてくれんだよ。ヤマトが完全に拗ねちゃったぞ!」
「俺のせいじゃないも~ん☆」
「…おい、もっちゃん!そりゃあないって!」
大樹さんは嘆くと、ここで一度『はぁ…』と、ため息を挟み、
「…だいたいなぁ、さっきから言ってるけど俺は観奈ちゃんが澤原財閥の娘だったなんて知らなかったの!初耳なの!!」
「でもさっき『どうりで』って言ったじゃん。」
圭先生とヤマト兄は、反発を強める視線を大樹さんに送る。
「だからぁ~見てれば分かるじゃん!!雰囲気が上品だし。」
大樹さんがサラリとそう言うと、圭先生が『はぁ~?』と納得いかぬ声をあげる。
「観奈が上品??んなわけあるかよ!酒を飲んでは暴れて、いつもだらしない格好だし。まぁ、それにここだけの話、ベットの中でも結構凄かったし…。」
右手を口元に当てて、小声で『別れたから言うけどさ』と後付けすると、圭先生は両腕を組む。
「とにかく観奈には悪いが、とても上品な雰囲気はかもしだしてないぞ!なぁ、ヤマト?」
「あぁ。見てれば分かるほど観奈を見てないからな、俺は。」
圭先生の話に興味はない。ヤマト兄はそんな感じだった。
そこに入り込むように大樹さんは、
「い、いや、だいたいパッと見て分かるじゃん。その人が身に纏う雰囲気とかってさぁ…。」
「そうかぁ~?俺は最初から観奈の雰囲気は上品じゃなかったぞ?」
うーん(-ω-;)
俺も観奈には悪いけど、とても『上品』とは思わなかったな。