ハルオレ☆ -後篇-


「…まぁ、観奈ちゃんがお嬢様なんだろなぁ~って確信したのは、結構前に『バナナ』を出された時だったな。」







「はぁ???バナナ????」







意外なその『バナナ』という言葉に圭先生とヤマト兄は揃えて首を傾げた。







困惑しているヤマト兄と圭先生に大樹さんは問題の『バナナ』の詳細を話始めた。







「うん。いつだったかなぁ。たしか観奈ちゃんと食堂で偶然会ったんだよ。その時ベロンベロンに酔っ払いながらさ、俺にバナナをくれたわけ。」







「ほう…。」







「その時さぁ、なぜかバナナと一緒にナイフとフォークを渡されたんだよ。『どうぞ召し上がって下さい』って言われてさ。で、意味わかんなくて俺がキョトンとしてたら、観奈ちゃんが『あ~、すみません。私が切って差し上げますねぇ~』とか言いながら、見事な作法で目の前でバナナを切ってくれたわけ。」







「え~?てかそもそもバナナに作法とかあるのか?」







バナナに作法。
なんてしっくり来ない、違和感のある言葉であろうか。







「ああ、それがあるんだよ。まぁ、あるっていうのは知ってたけど、実際どうやるのかは知らないだろ、普通。」







…っていうか、俺は作法があること事態、初めて聞きましたよ(; ´_ゝ`)







「…確かにな。」







ヤマト兄が感心した顔で相槌を打った。







「だろ!?あまりに手馴れてるから、『作法に詳しいんだね。俺バナナをこういう風にナイフとフォークを使って食べるなんて知らなかったよ』って言ったら、なんて言ったと思う?」







「え?なんて言ったんだよ?」







「『そうですかぁ?寧ろ私はバナナを噛り付いて食べるやり方を知った時はこんな食べ方もあるんだぁ~って感動しましたけどねぇ』だってさ!」








「はぁ?」







ヤマト兄と圭先生はまた揃えて解釈不能と言わんばかりの声をあげた。
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