ハルオレ☆ -後篇-
part7 高原昴
------と、その時。
トントン…。
突然部屋の扉がノックされた。
「ん?もしかして観奈かなぁ?『先生、やっぱり私…』ってか!!?」
圭先生はそう思い込んでは嬉しそうに『は~い★今でまぁす!』と部屋主のヤマト兄よりも先に一目散に扉を開けに向かった。
「おい、圭。待てって…。」
そんな身勝手な圭先生を止めるが、そんな間もむなしく圭先生は勢いよくドアを開ける。
すると、そこには20代前半の若そうな男性が一人立っていた。
急にドアが開いて驚いたのだろう。黒い大きな瞳をパチクリさせている。
「…誰?」
突然の見知らぬ訪問者に圭先生が首を傾げる。後ろからついてきたヤマト兄も圭先生と同様『誰なんだ?』というような視線を投げかけた。
するとハッとしたかのように男性が口を開いた。
「あっ、ど、どうも初めまして。お、俺、高原昴(タカハラスバル)と言います。夜分にすみません。」
「は、はぁ。」
「この度北洋高校の藤岡慎太郎理事長からこの学生寮の管理人に任命された者で、その、今日はごあいさつに…。」
高原と名乗る男性はそう言うとピョコンと頭を下げた。
すると圭先生が『ああ!』と何かを直感したのか、手のひらを拳で叩く。
「そうか。観奈ちゃんの代わりの新しい管理人さん…」
ヤマト兄がそう声をあげると、高原さんはニッコリと微笑む。