ハルオレ☆ -後篇-
俺が『まずい』と心臓をバクバクさせていると、観奈が『フン!』と鼻で笑い、
「何よ。彼方には関係ないでしょ?」
腕を組んで、彼方を睨み付けた。
すると、彼方は『はぁ…』と深いため息を落とし、
「…ま、いいけどさ。」
と、観奈を睨み返しては、不機嫌そうに顔を逸らした。
げげげ(゚ Д゚;)
おいおいおい!今にもまた喧嘩が始まりそうな雰囲気だよ!
俺が彼方と観奈の威圧感に挟まれながら、さらに心臓を高鳴らしたその時。
観奈がクスッと笑った。
「…ふふっ。でも彼方。私、これで学校に胸張って通えるようになれそうでしょ♪」
観奈は両腰に手を当てて、自信に満ち溢れた笑顔を見せる。
そんな観奈を見て、彼方はしばらく驚いたような表情をしていたが、やがて硬かった彼方の口元が緩んだ。
「…なんだよ。それでもうトラウマ克服宣言?」
「そうよ。悪い?」
「悪いって言うか…。」
彼方はそう言うと、腰を上げて観奈の目の前に立ち上がった。
「悪いのは僕のほうだよ。昨日はごめん。言い過ぎた。」
「彼方…。」
彼方が少し頭を下げるようにうつむくのを見て、観奈が動揺するように口元を手で押さえる。