ハルオレ☆ -後篇-


「じゃ、じゃぁ圭先生と観奈って話あったけど、それってどうなってんの?」







そうだ。観奈は一応圭先生の彼女って話だったよな。







「だから、そのバイトの時間に会ってたんですよ。」







「そ、そうだったんだぁ…。」







彼方だけでなく観奈さんもとても器用に遊んでらっしゃりますな(^ω^;)






「でもまぁそれはいいとして、なんだかんだ言って普段から一緒にいるほど離れたときに落ち着かない。まさに今腹黒王子はそんな感じなんでしょうねぇ。」







『ヤレヤレ』と西川さんは両手を少し広げた。







「まぁ、腹黒王子が観奈に異常なまでに過保護になった原因は『あの件』のせいですけどねぇ。」







西川さんがそう言った瞬間、ふと頭に疑問が浮かんだ。







「ねぇ…西川さん。さっきからあの件、あの件って言うけど、『あの件』ってなんのことなの?」







『あの件』
俺には何の事なの聞いた覚えもないし、まったく想像もつかなかった。







「えええ!?ちょっと!ほんと遠山君、何今更言ってるんですか!?ふざけてるんですか?昨日の夜その事については話したじゃないですかぁ~。」








「えっ?昨日の夜?」








「そうですよ…って、まさか遠山君、覚えてないんですか!?」







西川さんは口をポッカリ開けて俺を見た。







「う~ん、観奈にお酒を渡されて……え、え~っと。正直俺、そこからまったく記憶がないんだよね。」







『あはは』と笑った俺とは対照的に、西川さんはずぅ~んと沈んでいた。







ようするに俺は昨日の記憶がないため、『あの件』…彼方が理事長に脅迫されていることも忘れてしまっているのであった。
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